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平成28年度 立博体育平台_立博体育官网-登录注册大学院修了式?学位記授与式 来賓講和

掲載日:2017/03/29

  本日は立博体育平台_立博体育官网-登录注册大学院修了、誠におめでとうございます。ご父兄の方々にも、心よりお祝いを申し上げます。おめでとうございます。大学院修了生は、晴れて今日の日を迎えることとなりましたが、今後、研究を続ける人、社会に出る人と色々な道があると思います。皆さんが世の為、人の為に役立つような人生を歩んでくれることを願っております。

  それにしても私は、大学院修了生の皆様を非常に羨ましく思っています。と言いますのも、私は立博体育平台_立博体育官网-登录注册医学部を昭和42年3月に卒業しましたが、1年間のインターン終了後、大学院を受験出来ませんでした。私は、医学部学生時代には、死ぬ気で勉強したことは無く、大学院で研究に没頭したいと思っていましたが、当時は安田講堂事件など、学園紛争の真っただ中で医学部クラス会決議は「大学院ボイコット」でした。クラスメートのうち何人かは大学院に進みましたが、私はクラスメートを大切にしたいと思い、大学院には進みませんでした。でも私は小学生の時に母親からsuggestionを貰い、世の為、人の為に役立つ医師になるということを決め、医学部に進み、卒業し、当時あったインターンを終了し、医師としての第1歩を歩み始めたところでした。私は大学院には進まず、その後色々と勉強して学位論文を作成し、医学博士の学位も取得し、留学もさせて貰いました。留学生活の1年間は、お金はないし、研究、勉強も上手くいかず、凄惨なものでしたが、得るものは沢山あり、人生で大変勉強になった期間でした。帰国後も、医師としての役割とともに研究心を常に忘れることなく、研究発表、論文作成を続けました。その結果でしょうか、46歳で立博体育平台_立博体育官网-登录注册医学部整形外科学教授に選出して頂きました。私は整形外科医として主に関節外科、スポーツ医学の研究、臨床を続けました。その結果、多くのスポーツ選手の診療をさせて頂きました。そのような患者さんの中には、プロゴルファーの中嶋常幸プロ、丸山茂樹プロ、岡本綾子プロや何人かの力士も含まれていました。その結果でしょうか、後に日本ゴルフツアー機構医事委員長をご指名頂きました。そうこうしているうちに横綱審議委員で人間国宝の歌舞伎役者澤村田之助氏が立博体育平台_立博体育官网-登录注册医学部整形外科教授であるということで、私の所を受診してくださり、結局は手術をさせて頂きました。治療をしている間に相撲の話をしていたら、ある日、突然「横綱審議委員になりませんか?無報酬ですが???。」という話になり、その後、北の湖理事長と北の富士氏の面接を受け、結果として北の湖理事長から横審のご指名を頂きました。学生時代やその後の医者になって若かった頃、酒を飲みに行ったり,マージャンをしたり、ゴルフをしたりと色々と人生を謳歌しました。それはそれで楽しかったですが、でも、私にとり人生で一番楽しかったのは学生時代、その後医師として、勉強をする事でした。もう、75歳になり、最近はあまり勉強をしていません。今日の大学院修了生はまだ若いです。まだまだ勉強をしなければなりません。勉強することが人生で一番楽しい事と私は思っています。頑張って勉強してください。

  私が人生で大事にしている事の一つに「やるべきことをやるべき時にやる」があります。研究であれ、論文作成であれ、やるべき事を素早く認識し、やるべき期限までにやり終える、ということです。相手が偉い、あるいは重要人物であればあるほど多忙であり、待っていてくれることはありませんし、重要な学会であればあるほど期限を守ることは重要です。仕事の遅い人は、結果として、それなりの評価しか頂けません。

  私は医師として教育者として一生を過ごしてきましたが、医師は金儲けのために働いてはいけないとの信念のもと、家内の理解も貰い、お金儲けのために仕事をしたことは一度もありません。それは、もともと世の為、人の為に一生を過ごすために医師になったので、後悔するところは全くありません。私は純粋に患者さんの為に、社会の為にと思って人生を過ごしてこられ、これは大変幸せでした。お金を稼ぐことを第1に考えて医師をやっていると人間が卑しくなり、品格が落ちるように感じています。常に医師としてのprideを持って人生を過ごす為にはお金儲けを第1と考えてはいけないと思っています。これは医師以外の仕事でも同じだと思っています。本日の大学院修了生の皆様には、事情が許せば、お金の為にではなく、真理の追及の為か、世の為、人の為になる仕事をしてほしいと願っています。

  先程触れました横綱審議委員は任期が10年です。私は立博体育平台_立博体育官网-登录注册を定年退職する直前に横綱審議委員に委嘱されましたので、その後10年間任務を果たし、今年1月末で任期満了退任となりました。大変楽しい10年間でした。立博体育平台_立博体育官网-登录注册退職後、私は鹿島労災病院長を4年間、千葉市病院事業管理者を3年間勤めましたが、その後も含め、横綱審議委員として相撲そのもののこと、力士の事などを勉強し、国技大相撲を発展させるべく、最大限の努力を払ってきました。委員10年間で最後の2年間は委員長を仰せつかりました。横綱審議委員になれるか、その中で委員長になれるかは「人生は巡りあわせ」だろうと思っていますが、そのような巡りあわせになるように、良い流れを作るのも一つの努力のように思います。私の横綱審議委員会の任期10年の間に61回の横綱審議委員会がありましたが、家内ががん手術後の抗がん剤治療中に寝たきりになってしまった時に1回、昨年3月に私自身が慢性硬膜下血腫の緊急手術を受けていて1回、計2回欠席しました。その他の東京場所の前に行われる稽古総見30回、東京場所中にご招待を頂く場所総見30回は全て出席しました。その他にも東京での本場所を出来るだけ観戦に行っていたことも委員長に選出して頂く一つの要因だったと思っています。横綱審議委員長最後の場所に、それまで勝って欲しい、負けないでほしいという期待を何度も裏切ってきた稀勢の里が優勝し、横綱に推薦できたことは私の引退の花道を飾ってくれて、本当に幸運でした。今後は稀勢の里が活躍してくれることを祈るばかりです。

  最後に今日の話をまとめます。
1.人生で最も楽しいことは勉強することです。
2.人生やるべき事をやるべき時にやってほしいと思っています。
3.お金のために仕事をするべきではないと思っています。
4.人生は巡りあわせですが、良い巡りあわせになるように努力しましょう。

平成29年3月24日
立博体育平台_立博体育官网-登录注册名誉教授 守屋秀繁